2016年05月24日 11:41

間違いだらけの職業教育②

 先日、西千葉子ども起業塾の案内を千葉大の学生さんが持ってきてくれたのをきっかけに、キャリア教育について考えている。

 時を同じくして、マイナビから就職人気企業ランキングが発表された。

 これ自体は、社会経験のない学生さんが「就職したい」と思っている会社名の羅列のようなものなのであまり意味がないが、過去の調査結果と比べてみると、案外面白かった。

 2009年までの調査結果が簡単にみられるので、2009年度のものと比べてみる。

 当時、理系の1位はソニー、2位パナソニック、6位がシャープで9位がキヤノンと、家電メーカーがトップ10に4社入っていた。

 それが最新の2017年になると、これら家電メーカーは10位のソニーが先頭で、おおむね上位20~50位以内に後退。シャープはもちろん100位以内にも入っていない。

 2009年の調査結果文書の見出しに、「変化の時代に 22,000 人を超える大学生・大学院生が選んだ人気企業」とあるのは、今振り返ってみるとまるでブラックユーモアだ。

 「変化の時代」などとうそぶきながら、本音としては「変化の時代」=何が起こるか分からない時代だから、「絶対つぶれなさそう」なところに就職して、「安定」を手に入れたいと思っている。しかしながら、「変化の時代」なのに「絶対につぶれなさそう」なところに就職したいなんてそもそも発想の根底が矛盾している

 ましてや、現在の小学生の3分の2が、現在存在しない職業に就くだろうといわれていたり、今存在する職業の半分が数十年以内に消滅するとか言われているご時世である。

 「変化の時代」だというのならば、その変化に対応できる発想や肝っ玉を個人が持っていることが、普通に考えたら大事なんじゃないかと思う。

 現在の、我々に身近なキャリア教育を考えてみると、質・量ともにまことに乏しいと言わざるを得ない。親や教師から「将来の夢は何か」と問われるとか、中2の職場体験、キッザニアに行くとか、本当にそんなものしかないままに就職活動を迎えるのが普通なのではないだろうか。

 そして、この申し訳程度のキャリア教育には致命的な欠陥がある。それは、今ある仕事から将来の職業を考えさせたり体験させたりしているに過ぎないところである。

 職場体験に協力してくれているお店や企業はえらいと思うし、キッザニアのようなテーマパークに子供を連れていくことも悪いとは思わない。しかし、そこでは何が学べなくて、どういうことが危惧されるかということは分かっておいたほうがいいのではないかとも思う。

 職場体験やキッザニアで何かの「仕事」を体験してみる。それは、決められたことを言われたとおりにやるだけなのである。

 だから、「変化の時代」に必要な、新しい仕事を作り出す経験なんてことはもちろんできないし、下手をすると、「偉い」人に言われたことをちゃんとやってさえいれば仕事をしたことになるのね、なんて誤った仕事観を助長しかねない。

 職場体験やキッザニアの活動などは、仕事の体験というよりは、アルバイトの体験のようなものだということはきちんと子どもたちに伝えておいた方がいい。

 西千葉子ども起業塾の話を聞いていて、いいなと思ったのは、今ある仕事を子どもに体験させるというものではなくて、自分たちで商圏のニーズを調べたり、掘り起こしたりして、起業を体験させるところだ。つまり新しいビジネスを作る体験をさせるということだ。

 「変化の時代」のキャリア教育ならば、こういうものこそ本当に子どもたちんとって大切な経験になるのではないかと思った。

—————

戻る


お問い合わせ先

国語道場(西千葉)

稲毛区緑町1丁目27-14-202
千葉市
263-0023


043-247-7115
お電話のお問い合わせは、火~土曜日の午後3時~9時
メールは24時間承っております。