2020年08月23日 17:40

子どもがゲームにはまって困っています

 塾長という立場上、保護者の方々から様々なご相談を承るわけですが、内容は学習に関すること以外に多岐にわたります。お子さんがゲームにはまっていて学習習慣などの生活が乱れているが、どうしたらよいかといったものもその一つです。

 実は、この子どもとゲームについてのご相談には、私は戸惑いを禁じ得ないところがあります。なぜかと言いますと、私自身、保護者の皆様に「こうすれば大丈夫です」といったアドバイスを自信をもってできない、いやそれどころ、このご相談にお応えする資格もないのではないかと思われてしまうところがあるからです。

 実は、以前、当の私の娘が、親の金を抜き取ってゲームに課金をしていたことがありました(-_-;)

 こんな失敗をしている親である私自身が、皆様に、子どもとゲームの付き合い方はこうあるべきだなんてお話をするなんて、おこがましいという思えてしまうところがあります。

 思えば、私自身も、中学生のころだったか、親の財布から50円玉を何枚か抜き取って、近所の駄菓子屋でディグダグをやりに行ったことがありました。私の親は、どうも勘の鋭いところがありまして、この件はすぐに親にばれ、結構こっぴどく叱られたものです。50円玉が何枚かなくなっただけなのに、どうしてバレたんだろうと今でも不思議なのですが、やはり親たるもの、子どもの異変についてはすぐに気づけるくらいの観察眼は持っていてしかるべきなのだろうと思います。

 それにしても、子どもとゲームの問題は、昔とは比較にならないくらい複雑になっていると強く感じます。

 任天堂のファミリーコンピューターが発売されたのは、私は小6のころですが、当時ビデオゲームをやるとなったら、家にファミコンやパソコンがなければ、ゲームセンターに行くしかありませんでした。ゲーセンでは、当然プレイのたびにお金がかかります。1プレイ代の100円という金額は、小中学生にとって決して小さい金額ではありませんから、そうそう頻繁にはできないし、やるからにはそれ相応の覚悟が要ったように思います。長時間プレイするためには、ゲームがうまくなければなりませんでした。ヘタクソはあっという間に敵にやられてゲームオーバーです。

 今思い返すと、この時代は子どもとゲームとのかかわりという点で、現代に比べるとだいぶ良かったなあと思ってしまいます。ゲーセンは「不良の溜まり場」などと言われていた時代ではありましたが、プレイを待つ者は、中学生であろうと大学生であろうと、テーブルの上に自分のコインを並べて公平に自分の順番を待つとか、上級者のプレイを見て技を盗むとか、それなりに学びのあった場でもあったように思います。

 現代は、ゲームのありようがとても大規模で複雑なものになっていて、私には何か個人というものの無力さを感じさせるものにまでなっているように感じてしまいます。

 つい10年ほど前まで、親の最大の「敵」は携帯ゲーム機のDSでした。子どもがDSにはまって勉強しない、夜遅くまでゲームをやっているという問題は、親たちの最大の頭痛の種でありました。そうした問題が克服されることもなく、新しいゲーム機が次々と販売され、スマホの爆発的な普及もあって、今や生活のあらゆるところにゲームが浸透しています。もはや、子どものゲーム環境を管理しようなどと試みるならば、何をどうしたらいいのかと途方に暮れることになるのではないでしょうか。

 私自身、上にも述べたとおり、子どもとゲームの問題について、これといった決定的な解決策を見出せている者では凡そありません。その点で、私も皆さんと同じ立場の人間ではあります。その上で敢えて申し上げるならば、問題が複雑である場合ほど、基本に立ち返って方途を考えるのがよいと思います。

 まず、子どもが「ゲームにはまる」こと自体は、それほど問題がないということを挙げておきたいと思います。「問題がない」というのは、学力・成績に、必ずしも悪影響を与えるとは言えないという意味です。というのは、一流大学に入る人たちにゲームが大好きという人は少なくなく、もはやゲーマーと呼んでも差し支えないくらいにやりこんでいる人も多いからです。ポケモンのように、高学歴の愛好家がたくさんいるゲームもあるくらいです。

 要は、節度あるゲームとの付き合い方ができるかということになってくるのだろうと思います。節度は、子どもから自然発生的に生まれるものではありません。これは親がしつけなければならないものです。

 そういうわけで、ゲーム機やスマホ、PCの時間制限はマスト。迷わず取り組むべきことと思います。GoogleアカウントやApple IDによる保護者管理機能は12歳まで強制的に有効になりますが、13歳以降になっても親は管理を継続するべきです。

 また、子どもがゲームにはまるのは悪いことではないと申しましたが、子どもの学力・成績に明らかに有害と思われるものは存在します。それは、いわゆるネトゲと呼ばれるものです。

 ネットにつながった状態でプレイすればなんでも「ネトゲ」ではありますが、ここでいう勉強に悪影響をもたらすネトゲとは、ネットワーク上で複数プレイヤーが共同で冒険したり戦闘したりするタイプのものです。一人で気分転換的にプレイするのではなく、他人との協働になるためか、際限なく時間を浪費してしまう傾向があるようです。

 ネトゲにはまっているお子さんで成績の良い人はいません。それまで勉強に問題のなかったお子さんでも、滝つぼに飛び込むかのように成績がガタ落ちします。ネトゲは一度はまるとそうそう抜けられない中毒性があり、成績が下がったからゲームをやめさせるような指導も極めて困難です。それどころか、通常の社会生活を送ることさえ難しくなるケースもあるようです。

 基本的に、子どものうちはそもそもネトゲには触れさせないようにするのがベストと思います。また、その危険性について子どもたちにきちんと伝えておくことも重要です。

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