2015年01月31日 00:18

失敗したくない子どもたち

国語道場の国語の授業では月に1回作文の時間があります。毎月最終週が作文の日になるのですが、1月は、中学生の定期テストが近いので、第3週目に実施しました。

今回のテーマは、「1度だけタイムマシンが使えるとしたら、過去に行きたいですか、それとも未来に行きたいですか」というもの。どちらかを選び、その理由を200字で書かせます。

ひととおり添削が終わったところで、非常に興味深いことがあったので、こちらで紹介します。

過去に行きたいという生徒と未来に行きたいという生徒の比率はだいたい半々でした。ところが、その理由がほとんど全員同じだったのです!

未来に行きたいと言っている子どもも、過去に行きたいと言う子どもも、その理由が同じ?いったいそれはどういうことでしょうか。

それは、どちらの意見の子どもも、理由は「失敗したくない」というものだったということです。

未来に行きたいと答えた子どもたちは、将来失敗したくないから未来の自分を見て備えたいということで、過去に行きたいと書いた子どもたちは、過去にしでかした失敗を帳消しにしたいということだったのです。

うーん。最初は興味深いなと思っていたのですが、次第にこれでいいのかという気分になります。いや、子どもというのはこういうものかと思いなおしますが、やっぱりこれはいかんだろうというところに思い至りました。

そもそも失敗が「悪い」ことなのかということです。

高名な成功者たちの話に失敗はつきものです。「こういう失敗があって、次にこういう結果にたどり着いた」とか、「失敗ばかりですよ」といった感じで、将来の失敗を恐れず、過去の失敗も消し去りたい出来事のようにはとらえていないんじゃないでしょうか。

大人のみなさんにとっては当然のことかとは思いますが、失敗から学ぶことは多いということですよね。

今回の作文から、だから最近の子どもたちはダメだなんていうふうには思っていません。むしろ、偶然多くの子どもたちの正直な気持ちを知ることができて、本当にラッキーでした。これからの指導の中で、いかにうまく子どもたちに「失敗」させていくか、そして「失敗」なんて大したことはない、むしろそこからどうしたらいいか考えていけばいいんだということを教えていきたいなと考えています。

ちなみに、聞かれてもいませんが、私がタイムマシンを1往復だけ使うことができることになったら、過去に行きたいですね。1824年5月7日、当時のオーストリア帝国ヴィーンのケルントナートーア劇場。ベートーヴェンの第9交響曲の世界初演を聞きに行きたいです。

演奏の指示のために舞台に立っていたベートーヴェンは、コンサートの失敗を確信し、客席を振り返ることができなかった。演奏者に促されて振り返ると、観客が総立ちで万雷の拍手を送っていることに、聴覚を失っていた楽聖は初めて気づいたという逸話が残っていますね。

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