2019年10月15日 22:35

多くのお子さんに足りないのは、読解力以前の力なんだが

 昨日は、津田沼の習志野文化ホールで行われた、椎名雄一郎さんというオルガニストのJ.S.バッハのオルガンコンサートに家族で行ってきました。オルガンの仕組みやバッハについての簡単なレクチャーを織り交ぜてのコンサートで、演奏もさることながら勉強にもなって、とてもお得な気分になりました。

 津田沼ということで、コンサートの後で丸善に行きました。千葉周辺で大きい本屋と呼ぶに値するのはここくらいしかないことをいつも残念に思います。

 丸善の店内に入ってすぐのところに、週刊『東洋経済』が平積みになっていました。「AIに負けない読解力を鍛える」という特集の10月12日号です。表紙からして最近出版された、新井紀子さんの『AIに負けない子どもを育てる』の宣伝も兼ねているのかなという感じではあります。

 記事の中でちょっと目を引いたのが、「中学生以下の社員もいる! 企業を悩ます『読解力不足』」というもの。もちろん、大人向けの内容です。

 「中学生以下」なんてそんなことあるかなと思われるかもしれません。国語道場のホームページをご覧になるような、読解力の高い大人の皆様からするとちょっと信じられないかもしれませんが、私は大ありだと思います。多分、大人の半分かそれ以上の人々の読解力は、中学生並みかそれ以下のはずです。

 それは、日本の場合、大学進学率がだいたい半分にちょっと足りない程度というところからも推測されます。高校卒業程度の読解力が大学入試センター試験国語の現代文だとするならば、それで9割得点できる人なんてそうはいないでしょう。

 そのもう一つの証拠としては、新書のベストセラーですけれども、これって大人向けに書かれていると思われるかもしれませんが、文章のレベルは中学生向けといって間違いありません。なぜなら、その多くが高校入試で出題されているからです。

 そんなわけで、大人の読解力といっても、おおかたの人のそれは中学レベルといって間違いないはずです。それに届いていない人がいれば、その読解力は「中学生以下」ということになるでしょう。日常あまりそういうことが気にならないのは、大人には人生経験があって、その場その時に子どもよりも適切に対応できるからにすぎません。

 さて、この雑誌のような特集ですが、例によって読解力をつけるための勉強法やコツが掲載されています。しかし、まあどうでしょうねえ。こういう雑誌を手にとって、その勉強法を実践してみようなどと思う人は、すでにそれなりの読解力のある人で、本当にこういうことを知るべき人にはこういう特集は見えていないということがある気がします。

 私がこれまで多くのお子さん方を指導させていただいた経験から言えることなのですが、「読解力がない」という人の大多数が、そもそもそれ以前の力を持ち合わせていません。それはどのようなことかというと、書いてあることを自分の頭の中で理解しようとすることです。「読解力がない」人の多くは、そもそもそのような頭の使い方をする習慣がありません。言ってみれば、ただ文字を眺めているだけです。

 大切なことは「読解力」以前。書いてあることをまともに読む力をつけることです。しかし、これが一般的な塾はおろか学校なんかではできません。なぜなら、彼らは、子どもが文章を読めていないことを、「読解力がない」と判定することしかできないからです。

 まず書かれている文章にしっかりと取り組む習慣をつけさせる。そのために最も有効なメソッドは、読書指導「ことばの学校」です。

 「ことばの学校」の中心的なアクティビティは、朗読音声を聞きながら本を丸ごと読んでいくことにあります。朗読音声で正しいイントネーションの日本語を聞きながら本を読んでいくので、内容が理解しやすくなり、集中して活字に向かえるようになります。問題文をろくに読まずに問題集やテストで間違いを犯すようなお子さんであれば、文章をまともに読むようになるだけで数十点点数を拾えるようになるはずです。

 1冊1冊の本についてワークがついています。これによって、本の中でだれが何をどうしてどうなったかが整理されて頭に残るようになり、文章中に出てきた言葉や表現を効果的に身に着けることができます。語彙力・読解力テストで、「ことばの学校」受講者が、非受講者に比べて語彙力も正確な読解力も高いことが実証されています。

 うちの子は「読解力がない」ということにばかりフォーカスしてしまうのでなく、そもそも文章をまともに向かい合うという習慣がついているかどうかに着目されるといいでしょう。そこから勉強全般が改善してくということがよくあります。

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