2015年12月15日 21:41

​ なぜ習い事を詰め込むと子どもは勉強嫌いになるのか

​ 中学や小学高学年で入塾される親御さんから、「どうしてうちの子はこんなに勉強嫌いなんでしょうねえ」というご相談をいただくことがあります。

 うーん(ー ー;) あえて厳しいことを言っちゃいますと、そのことに最も責任があるのは親御さん・・・ということになります。

 では、どのような対応が子供の勉強嫌いに結びついてしまうのかと言いますと、大きく2つあると思います。

 1つは、子どもの発達度合いを無視した標準化対応です。これは、もう◯歳なのにこんなこともできないの?と感情的に接してしまうことを簡潔に言ったものです。

 もう1つは習い事の詰め込みです。習い事の詰め込みは子どもを「勉強嫌いにする最も効果的な方法」と断言してもよろしい。

 日経DUALというウェブマガジンの特集で、400人以上のアンケートに基づく記事があります。読んでみて、習い事の成否は、親御さん自分自身の問題であることが分っていない方が多いように感じました。

 読んでいて見えてきたのは、とりあえず泳げたほうがいいからスイミング、体が丈夫になるようにサッカー、字がきれいになって欲しいから習字、頭が良くなりそうだからそろばんといった感じで入れていき、あとはお任せ。そして結果論で良かった悪かった言っている親御さんのスタンスですね。何かを習わせればそれができるようになるんじゃないか、あとは習い事の先生にお任せという発想。まあ、百害あって一利なしですな。

 一例として挙げますと、塾をやっているとよくわかることなんですが、習字を習っていたかどうかと、子どもの字がきれいかどうかということはあきれるほど関係がありません。結局字のきれいな子がどうして字をきれいに書くのかというと、それはきれいに書こうと日常的に気をつけているからということにすぎません。テキトーな人は、いくら習字を習っていようが字は汚いのです。

 習い事の成否は、ひとえに親御さんの本気度によります。親御さんが、その習い事について本気で我が子が身につけて欲しいと願い、実行させるかどうかが成功の鍵です。したがって、親御さんにその習い事に対する愛情があるかないかも重要になってきます。

 例えば、ピアノを習わせるとします。当たり前のことですが、レッスンの時週に1回30分しか弾かないのであれば、上達しっこありません。よって毎日の練習が必要になります。これは本人にとっても親御さんにとっても大変なことです。両者に相当前向きな気持ちが不可欠です。

 ところが、習い事を詰め込む人というのは、その毎日必要なピアノの練習があるにもかかわらず、レッスンの日以外に別の習い事を突っ込んでいくという暴挙を働きます。毎日の練習が必要ということが分からないのか、やらせる気がないのか、はたまた習い事を子どもを遊ばせないための道具と考えているのか、いずれにせよ、こういうことをしてしまう親御さんは、ただ一つのこともある程度上達するまでやり遂げた経験がないのではないかといぶかってしまいます。

 さて、それでは、なぜ習い事の詰め込みが子どもの勉強嫌いに結びつくかということを考えてみましょう。

 習い事を詰め込むとどういうことが起こるか。上にも書いたように、ピアノを一つ習えば、自ずと毎日の練習が必要になります。よって、それ以外の日に別の習い事を詰め込むことは、過剰な課題を与えていることになります。言い換えれば、本気でやろうと思ったら、とてもやりきれない量の課題が押し付けられているということになります。

 子どもの立場になって見てみましょう。つまり、到底やりきれない分量の課題を押し付けられている側の立場を想像してみましょう。

 真面目な子であれば、嫌になってしまうでしょう。場合によっては自己否定的になってしまうかもしれない。

 普通のお子さんであれば?まず間違いなくテキトーにやることしか考えないでしょう。まともにはとてもやりきれない分量、親はただやれと言っているだけで、その習い事自体にはさほど興味もない、自分の自由な時間だって欲しい。

 つまるところ、ほとんどのお子さんに対して、習い事の詰め込みは、おしなべて何事もテキトーにやれと教えているに等しいことだということを、心ある親であるならば知るべきでしょう。

 小学生低学年・中学年のお子さんを持つ親御さんとして一番心しなければいけないことは、とにかく子どもを勉強嫌いにしないことです。その上で重要なのは、いろいろなことに好奇心を持てる心を育てることと、やるときにはいかなる手間をかけることも惜しまない粘り強さを育てることです。

 してみると、習い事の詰め込みは、そうした子どもの心を育てることと真逆のことをしていると言わざるを得ません。わざわざお金と時間をかけて子どもを勉強嫌いにしようとしているようなものです。親は興味があろうとなかろうと何かを押し付けてきて、それについて自分も興味がないくせに、ただ練習しろとか上達していないとか嫌なことを言ってくるばかりになるわけですから。

 お子さんにとって一番大事は勉強です。子どもをその勉強嫌いにしてしまわないためにも、習い事は愛情を持って本気で取り組めるものに絞ることは、非常に重要です。

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