3歳までに絵本読み聞かせ1万冊!そんなことやってられない方のために
1年ほど前のものですが、理III無双の佐藤亮子さんのインタビュー記事を読みました。
彼女のよいものを見抜く力と、やると決めたことをやり通す実行力には驚かされます。子育て力で彼女に匹敵するのは、息子2人が大相撲の横綱になった花田憲子さん(若貴兄弟のお母さん)くらいでありましょう。
3歳までに絵本読み聞かせ1万冊を実行したということですが…。まあ、そこからかと驚きますね。中学受験なら小4から、高校受験なら中学からなんてのとは次元が違います。それでいて、右脳開発だの速読だのとオカルト的なものに走らないところが、私的には好感度大です。
この記事の中で重要だと思ったのは、①計画性と実行力、②スケジューリング力、③教育とその成果のとらえ方だと思います。
まず①の計画性と実行力。
彼女の場合、1万冊を3歳までの2年半の日数で割って、1日15冊というノルマを決めたということです。ソ連の5か年みたいですね。ソ連と違うのは、彼女の場合はそれを着実に実行したことです。1万冊に到達したのは、お子さんの誕生日の前日とのこと。
ここで学ぶべきは、「1日15冊」というところではありません。そうではなくて、目標を設定し、そこから1日のノルマをはじき出し、それを鋼鉄の意志でやり遂げることの大切さですね。
ワタミの渡辺美樹さんも、「受験勉強なんて割り算ができれば簡単」なんてテレビで言っていましたが、それと似た発想ですね。いついつまでにこの問題集を1冊終わらせると決めたら、ページ数を締め切り日までの日数で割って、毎日必ずそれをやり遂げればいいという意味です。
こういう計画性と実行力は、特に難関校を目指す人にとっては必須のものです。しかし、問題集も単語集もそもそもいつ終わらせるとも決めずにだらだらやっていたり、いったん決めた1日のノルマを守らなかったりする人は多いです。まずこういう人は、大学入試ともなるとまず成功しません。
ちなみに、1万冊を2年半の日数(約900日)で割り算すると、1日当たり11冊程度となります。佐藤ママさんは1日のノルマを15冊と決めたということですが、こうすることで週末は読み聞かせはお休みして家族で遊びに行くとか、平日読み切れなかった分を調整するとかしたのではないかと想像します。ノルマ設定にも計画力の高さを垣間見ることができるように思います。
次に重要なポイントですが、佐藤ママさんは、計画を実行していくに際して、この日は忙しくてとてもノルマを達成できなさそうだということが前々から分かっていれば、先の分を前倒しして実行してきたそうです。このようなスケジューリング能力も大事です。
スケジューリングは、やらなければいけないたくさんのタスクを分散し、無理なくかつきちんとこなすために必要な技術です。佐藤ママさんについて注目すべき点の2つ目は、このスケジューリングの能力だと思いました。
そして最後、これは素晴らしいと思ったのは教育とその成果のとらえ方です。
1万冊目の本を読み聞かせしたのはお父さんだったそうですが、読み聞かせが終わったときに、「(子どもが)何も変わらないよ」と不思議がったことに対し、「達成した途端に、長男に劇的な変化が訪れると思っていたみたいです(笑)」と笑い飛ばしています。さりげない一節ですが、これには私思わず唸りました。
1万冊の読み聞かせ。これはたとえて言えば、畑を耕すとか、堆肥を土に混ぜ込むとか、これから野菜や花を育てる土壌づくりのようなものです。当然それだけで花が咲いたり実がなったりするわけではありません。しかし、これだけしっかりと「土壌」作りをしていれば、そこに種をまいたり苗を植えたりすれば、それはもう大輪の花が咲き、大豊作となるでしょう。
世の中には、勉強嫌いな子どもを塾に通わせて「やる気スイッチ」か何かを押してもらえば、人が変わったように勉強しだし、成績もぐんぐん上がるんじゃないかなどと考える浅はかな大人がたくさんいます。ろくに「土づくり」もしていないで、そこに「種をまい」たり「苗を植え」たりしたところで、それはそれなりものしか咲かないし実らないでしょう。
1万冊の読み聞かせというかなりタフなタスクを成し遂げたうえで、なおかつその成果として劇的な変化など起こるはずがないと見通している・・・。佐藤ママ、やはりただ者ではありません。1人目のお子さんにしてここまでわかっているというのは、なかなか難しいことなんじゃないでしょうか。
しかし、ここまで話を聞かれて、ほとんどの方は、こんなの私にはムリだわと思われたかもしれません。いや、私自身も無理です(^^;
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