子どもの偏差値を40上げたお母さんの言葉(前編)
塾の仕事をやっていて「得だ」と思う最大のことは、お子さんに対して素晴らしい接し方をされている親御さんとの出会いがあって、そうした方々の心構えや取り組みを学ぶことができることです。自分の子育ての中でも、そのような親御さんのお話をパクらせて(^^)いただくこともありますし、親としての自らのあり方を反省する機会になっています。
そうした親御さんから学んだことを、皆様に還元させていただくのも大切な仕事だと心得ています。
私が今この歳になって確信をもって言えることは、子どもに対してキツい接し方というのは全く必要ないということです。若いころは、「将来社会に出てしっかりとやっていけるようになる人間に育てるためには、子どもたちに対して厳しい接し方も必要だ」などと思っていたし、実際キツいことを言ったりやったりしたものですが、今考えると恥ずかしいことだったなと思います。
最近は、ああ、この子はお家で結構キツいことを言われることがあるみたいだなというのは、一目で分かるようになりました。日常生活の上で特に問題を抱えているというわけではなく、むしろ「よい子」といっていいようなお子さんばかりですが、どこか目の奥におびえたような光があります。
このようなお子さんは、成績を上げるために勉強をする以前に、まず心の「武装解除」をやってあげなければいけません。勉強をする際、このようなお子さんは問題を筋道に沿って考え、知っている知識・技術を使って解答を求めるというよりも、とにかくいかに大人に怒られないようにするかという方向にばかり動いてしまいます。だから「答えを出す」といっても思い付きでやってしまっていることが多く、いくら「勉強」しても学力が伸びるような経験になりにくく、成績も伸び悩む傾向があります。
とにかく、子どもの今ある姿を全面的に受け入れることです。子どもを改良しようなどと思うべきではないし、その必要もありません。なぜなら、どのお子さんも現在あるままのところから成長することが可能だからです。
子どもに対しては時にキツいことを言うことも必要などと思っていた私が、現在のような考え方に至りそれに確信を持てるようになったのには、一人の生徒の保護者の方の存在があります。その方について近くご紹介したいと持っています。ご参考になれば幸いです。