「独眼竜政宗」で国語の勉強 Lesson 12

2024年09月27日

今回は、第12話「輝宗無残」です。

詳しい話はドラマを見ていただくことにしますが、輝宗パパがちょっとびっくりするような形で亡くなってしまいます(粟ノ巣の変事)。

輝宗パパが横死した後、政宗が成実と小十郎の前でつぶやくセリフは印象的です。

母上に合わせる顔がない

この歳になって改めて「独眼竜政宗」を見て、これは親子のドラマでもあったのだということに気付きました。このドラマの中で、政宗は一種のマザコンとして描かれています。

輝宗パパは死の前夜、政宗について「常軌を逸した狂おしさ」、「得体のしれぬ恐ろしさがある」と言っています。しかしそれは政宗が持って生まれた気質とは違い、母親との関係性で発現したものではないのかという気がします。

政宗は、ドラマの中で、母親(お東の方)からやることなすこと何かとケチばかりつけられます。一方で政宗は、母親から認められたいものですから、余計に危なっかしい激しい行動に走ります。

前回描かれた小出森城の戦いで、政宗は城内の兵士のみならず女子ども約800名を虐殺したと言われています。こうした度を越した激しい行動も、実は母親との関係性に起因するものではないのか。そういうことを脚本家のジェームス三木は考えていたのかもしれません。ドラマを見ながら、私も親子関係というのは難しいものだとしみじみ思いました。

以下、重要語です。相変わらず難しい言葉が多いです。

くちゅう【衷】苦しい心のうち
しょうしせんばん【笑止千万→第4話
うこさべん【眄】右を見たり左を見たりする。周囲の状況ばかり気にして、自分の態度をなかなか決断しないこと
はじもがいぶんもない【恥も外聞もない】恥ずかしいという感情もなければ、世間の目も気にしない
かんぶつ【奸悪知恵のはたらく心のひねくれた人間
しんじょうをたてる【身上てる】家計を成り立たせる。「身上」は「しんしょう」とも
かたはらいたし【片腹痛し】ばかばかしくて滑稽だ
ほねおり【骨折り】努力、苦労
すいほうにきす【泡にす】無駄になる
じょうきをいっする【軌を逸する】常識外れの言動をとる
かんば【悍暴れ馬
べんたつ【鞭撻】(鞭で打つように)強く励ますこと
にわかに【俄かに】急に
こつにくあいあらそう【骨肉相争う】肉親同士が争う=肉親相食(は)む
かんぷなきまで【膚なきまで】無傷の部分がないほど
しあんのほか【思案思ってもいない
やつきかたなおれるまで【尽き刀折れるまで】力尽きてどうしようもなくなるまで=弓折れ矢尽きる
しろをまくらにうちじに【を枕にに】落城するまで城にとどまり、敵と戦って死ぬ
いきはじをさらす【き恥をさらす】死ぬべき時に死なずに生き永らえ、恥をかく←→華々しく散る
ひざつめだんぱん【膝詰め談判交渉相手に膝を詰め寄せて強く掛け合うこと
おめみえのえいのよくす【お目見えのす】高貴な人にお目にかかる
こうようをつくす【孝養を尽くす】最大級の親孝行をする
ちんちゃくれいせい【沈着冷静落ち着いていて物事に動じないこと=冷静沈着
だいおんにむくいる【大恩いる】大きな恩義に応える
あくぎゃくひどう【悪逆非道はなはだしい悪行を行うこと

例によって小学校で習う漢字には色が付けられています。

千葉県公立高校入試の漢字書き取り問題では、熟語や慣用句の一部を書かせることがよくあります。上の例だと「恥も外聞もない」の「外聞」とか、「孝養を尽くす」の「孝養」を書かせるといった感じです。漢字自体はけっして難しくありませんが、こういう言い回しになれていないと、書けと言われてもなかなか出てこないのではないでしょうか。