「独眼竜政宗」で国語の勉強 Lesson 11
第11話「八百人斬り」です。
40年近くも前に放映されたドラマなのですっかり忘れていたのですが、元プロ野球選手の江夏豊さんが屋代勘解由(景頼)という武将役で出演していてびっくりしてしまいました。
ドラマの中では敵の大内方の将兵をバッタバッタと薙ぎ倒す脳筋バーサーカーのような役回りですが、記録では武功だけの人でもなかったようです。豊臣秀吉に疑われ何年間も本拠地に帰れない政宗に代わり、留守居役としてその領国経営を任されていたということなので、行政手腕もあった人物なのでしょう。ところが江戸時代になると突如として仙台藩をクビになり、1608年45歳で死去。藩内の権力争いに巻き込まれてしまったのでしょうか。
配役の江夏豊さんというと、1971年生まれの私からすると、なんと言っても「江夏の21球」。1979年の日本シリーズ最終第7戦、クローザーの江夏さんが近鉄バッファローズの攻撃を封じ、広島東洋カープが初めての日本一に輝いたのでした。私よりも上の世代のプロ野球ファンであれば、江夏さんと言えば阪神タイガースの絶対的エースとして記憶されていることでしょう。阪神の江夏の記憶と言えば、小川洋子さんの小説「博士の愛した数式」。国語道場の読書指導「ことばの学校」で読む本のラインナップにも入っている名作です。
プロ野球を引退した江夏さんは、その後覚せい剤取締法違反で逮捕され、世間に衝撃を与えました。なんだかこの人生の浮き沈みの激しさに、江夏さんと屋代勘解由との間に通じるものを感じてしまいます。
けんぼうじゅっすう【権謀術数】人をたくみにだますたくらみのこと(出典「大学章句序
」)
みらいえいごう【未来永劫】→第10話
ゆうもうかかん【勇猛果敢】→第4話
おににかなぼう【鬼に金棒】ただでさえ強いものに、さらに強さが加わること
おめもじ【御目文字】「お目にかかる」の女房言葉。女房言葉とは、宮中に仕えていた女性(女房)から広まった言葉で、単語の一部を「もじ」に変えるものが多い。例:しゃもじ(「杓子(しゃくし)」の一部を「もじ」に変えた言葉)
せいだくあわせのむ【清濁併せ呑む】→第3話
あたるをさいわい【当たるを幸い】手当たり次第に(慣用句)
むりょ【無慮】(思いはかることができないことから)おおよそ。《無慮数万》およそ数万
ひっぷのゆう【匹夫の勇】→第10話
だんちょうのおもい【断腸の思い】はらわたがちぎれるほどの辛い思い(出典・世説新語)
ふたまたごうやく【二股膏薬】ももの内側に塗り薬をつけると、歩いたりしているうちにもう一方の足の股の内側にもその薬がついてしまうことから、節操なくあちらこちらに味方する態度をとるような人のこと
ごんごどうだん【言語道断】→第6話
なんこうふらく【難攻不落】攻めるのが難しく、なかなか陥落させられないこと
例によって、色付きの漢字は小学校6年までに習う教育漢字で、千葉県公立高校入試の漢字書き取り問題に出題されうるものです。
四字熟語の一部を書かせる問題もよく出るのですが、例えば上の中だと「権謀術数」の「術数」だけ書かせるなんてのは出ても不思議ではないですね。