「独眼竜政宗」で国語の勉強 Lesson 08
今回は第8話「若武者」です。
第8話にしてようやく本役の渡辺謙さん登場です。待ってました!
今や世界的な大スターの渡辺謙さんですが、この「独眼竜政宗」の好演が飛躍のきっかけとなりました。容姿の格好良さもありますが、表情が豊かで声の張りも良く、若いころの三船敏郎を思わせる目の輝き、内側からみなぎるエネルギー…。「独眼竜政宗」を見れば渡辺さんが、いかに超一流の俳優であるかがよく分かります。
ドラマの前半、伊達家は相馬家と戦っています。伊達家側の大将は亘理(わたり)元宗という武将です。実は、元をたどると、相馬家も亘理家も我らが千葉一門です。
亘理氏は、千葉常胤の三男武石胤盛の子孫で、相馬氏は同じく千葉常胤の次男相馬師常の子孫です。鎌倉時代のはじめ、源頼朝による奥州藤原氏討伐に功のあった千葉常胤とその子どもたちは、東北地方に多くの地頭職を得ました。やがて亘理地方に移り住んだ武石氏の一流は亘理氏を名乗るようになりました。逆に相馬氏の子孫が移り住んだ現在の福島県浜通り北部の地名は、明治時代になってから、旧領主の相馬氏の苗字をとって、相馬郡(現在は市)という名前になりました。
亘理氏は、室町時代に伊達政宗の曽祖父の伊達稙宗からもらった養子が家を継ぎましたが、それがドラマに出てくる亘理元宗で、つまり伊達政宗のおじいちゃんの弟、輝宗パパの叔父さんに当たります。だから輝宗パパも丁寧に口をきいているわけです。
ちゅうしんはにくんにまみえず【忠臣は二君にまみえず】→Lesson 07「忠臣は二君に仕えず」
いんがおうほう【因果応報】善い行いをすればよい報いがあり、悪いことをすれば悪い報いが来ること(出典「大慈恩寺三蔵法師伝
」)
しんとうめっきゃくすればひもまたすずじ【心頭滅却すれば火もまた涼し】仏道を極めれば火も熱くなく涼しく感じられるように、どのような苦難も乗り越えられるということ(織田信長による焼き討ちに遭った比叡山延暦寺の僧快川和尚の偈(げ))
きらぼしのごとく【綺羅星のごとく】地位の高い人が居並ぶ様子*
えいようえいが【栄耀栄華】人や家などが華やかに栄えること
きゅうそねこをはむ【窮鼠猫を食む】(通例「食む」ではなく「噛む」)追い詰められた弱者が強者に激しく反抗することがあること(出典「塩鉄論」)
ひふんこうがい【悲憤慷慨】→Lesson 06
きゅうたいいぜん【旧態依然】昔のままで、進歩も発展もないこと
たいげんそうご【大言壮語】出来そうもないのに大きな口をきくこと
みをすててこそうかぶせもあれ【身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ】一身を犠牲にする覚悟で当たることで、ピンチを脱して物事が成就できるということ
じきしょうそう【時期尚早】何かを実行するには時期が早すぎること
いっしょくそくはつ【一触即発】ちょっと触れただけで爆発しそうなほど緊迫していること(出典「原性堂記
」)
ひにあぶらをそそぐ【火に油を注ぐ】→Lesson 07
とほうにくれる【途方に暮れる】手段や方法が尽きて、どうしてよいか分からなくなる
*「綺羅星のごとく」は、「綺羅(豪華な衣服のこと)、星のごとく」が本来の形で、「綺羅星」は日本語の擬態語「キラキラ」からの連想による誤用と言われていて、ジェームス三木の台本にも「綺羅、星のごとく」と書かれている。実際のドラマでは、「きらぼしのごとく」と発音されている。
例によって小学校までに習う漢字(=千葉県公立高校入試の国語の漢字書き取り問題に出題されうる感じ)には、色がついています。