「独眼竜政宗」で国語の勉強 Lesson 01
千葉学習塾協同組合が毎年加盟塾向けに発表している、千葉県公立高校学力検査の平均点速報が出ました。280点台と推計されるようで、昨年度より30点近く上がる可能性が高いとのことでした。
それでも国語だけ、昨年・一昨年並みの40点台にとどまるとみられます。相変わらず千葉は国語が難しい。
解答用紙がマークシート併用になって記述が減ったため、問題は易しくなり点も取りやすくなるかと思いきや、大問4でこけた受験生が多かったようです。大問4とは、先日の記事でも書いた時代劇小説です。
時代劇というと、最近ではNHKの大河ドラマくらいしかなくなってしまったので、こうした古めかしい言葉遣いは子どもたちにはとっつきにくいものなのかもしれません。いや、ここ数年の大河ドラマは、役者のセリフも普通の現代語になってしまっているので、大河ドラマをよく見るというお子さんでも、時代劇じみた言い回しにはなじみが薄いことさえあるかもしれません。
私塾長は、例によってNHKオンデマンドで毎日「独眼竜政宗」を見ているわけですが、ふと、これ、最近の中高生は俳優さんたちが何を喋っているか、全然理解できないのではなかろうかと思いいたりました。難しい故事成語、四字熟語、慣用句がかなりたくさん出てくる上に、最近の民放番組のような字幕はまったくありません。逆に、これをうまく活用すれば、国語力向上に役に立つのではないかと思いつきました。
そんなわけで、「独眼竜政宗」第1話「誕生」に出てきた重要語句を、下に示してみました。NHKオンデマンドに加入している方は、さっそく「独眼竜政宗」第1話を再生して、お子さんといっしょに語句の意味を確認してみてください。
犬猿の仲(けんえんのなか) 17分54秒 仲が悪いこと
忠孝の誉れ(ちゅうこうのほまれ) 21分34秒 主君への忠義心、親への孝行心で名高いこと
同工異曲(どうこういきょく) 23分59秒 見かけは違うが中身は同じであること
幣束(へいそく) 25分01秒 畳んだ紙を細長い木に挟んだ祭器。神社でよく見るアレ。別名梵天(ぼんてん)
不倶戴天(ふぐだいてん) 29分01秒 この世に一緒にいられないくらい、どうしても許せないと思うほど恨むこと
火を見るより明らか(ひをみるよりあきらか) 29分09秒 きわめて明白なこと
火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ) 29分10秒 勢いのある良くないことを、さらに勢いづかせること
胸をなでおろす(むねをなでおろす) 51分30秒 ほっとする
「同工異曲」なんて、字幕なしで聞き取れますか?このレベルの日本語が、昭和の末期では当たり前のようにお茶の間(←もはや死語)に流れていたのです。驚きです。