「この世の中には二つだけ不幸なことがある」

2024年09月25日

私は、毎朝5時台のNHK「おはよう日本」を見ながら朝食を食べます。いつも朝5時に起きているのではありません。ビデオのチャンネル録画機能でNHKは全番組を録画しているので、それを使って朝食の時間に見ているのです。

朝5時台の「おはよう日本」は毎日ちょっとしたドキュメンタリーのコーナーがあって、それが好きなので5時台のものを見ています。

先日、片目の視力を失った男性が米国に渡って長年の夢だったパイロットになり、2021年に小型機で単独世界一周を達成したというお話を視聴し、たいそう感銘を受けました。

片目では日本ではパイロットの資格を取ることができないそうなのですが、米国では可能なんだそうです。くだんの男性はそのことを知らずに米国の大学院に進学したそうで、そこの教官に勧められパイロットになる決断をしたということです。その教官がこの男性にパイロットになることを後押しするときに語った言葉がとても印象的でした。

この世の中には、2つだけ不幸なことがある。まず1つは、正しい情報を持っていないということ。そして、2つめ。おまえが何をやりたいのかということをわかっているにもかかわらず、それに挑戦しないことだよ

正しい情報を持っていないためにできることもムリだと思い込んでいる人、まるであさっての「努力」に時間と労力を失ってしまう人、けっこういるんじゃないでしょうか。

ひるがえって千葉県公立高校入試。入試では国語・数学・英語・理科・社会の5教科の学力検査が課されます。

国語道場に体験授業を受けに来る中学生、現在どこかのチェーン系個別指導塾に通っているお子さんですと、まず例外なく英語と数学だけ塾で受講しているんですよね。

数学と英語がとにかく苦手でほかの教科は完璧だということならいいのですが、チェーン個別指導塾の生徒さんというとまずほとんどの場合国語力が足りなくて、理科も社会もイマイチではないですか。チェーン個別指導塾としては、英語と数学は指導がしやすいのでとりあえずその2教科の受講を勧めてくるだけなのですが、それでその通り数学と英語だけ受講する方々って、公立高校の入試制度をご存じないのでしょうか?国語・数学・英語・理科・社会の5教科の合計点をもとに合格・不合格が決まるのですけれども。

チェーン個別指導塾で英語と数学だけ受講している人々も、ほとんどは公立高校入試は5教科だということを知って入ると想像するのですね。それでも5教科勉強して5教科の総合得点を上げる努力をしないのは、私には何とも不思議なことに思えます。してみると、正しい情報はそれなりに知られているのだけれども、なぜかそこから正しい判断をして、正しい努力をしない人がたくさんいるということなのかもしれません。残念なことです。