中学生の通知表の見方 オール3では話にならない
毎年7月ころになると「学習成績分布表」という資料が県の教育委員会のホームページ上に公開されます。
「学習成績分布表」とは、千葉県内のすべての市立中学校の3年生の内申点分布を集計したものです。例えば、◯◯中学校では国語の内申が5の人が何人、4の人が何人という情報です。
こういう情報がネット上に公開されていることを、意外と知らない方が多いようですが、ご自分のお子さんの中学校のデータも見られますので、是非ご覧になることをお勧めします。ちなみに国語道場では、このデータの最新版を、面談の際に各ご家庭に配布しております。
さて、現在の内申点は絶対評価です。基準を満たしていると評価されれば、極端な話、5を全員につけてもよいとなっています。
この制度は2002年から始まったもので、それ以前は相対評価だったということも周知のとおりですね。
相対評価では、1と5が全体の7%、2と4が24%、3が38%という比率で割り当てられることになっていました。1と5はそれぞれ全体の7%ですから、40人のクラスなら2~3人ずつしかいない一方、3は15人くらいいたことになります。
それでは、絶対評価による評定は実際どのように運用されているのでしょうか。西千葉地区の個別の学校のケースを見てみましょう。
轟町中学校では、主要5教科の評定は、5が22%、4が28%、3が37%、2が11%、1が2%となっています。おおむね、4か5の生徒が50%、3の生徒も40%弱、1・2をもらう生徒は10%強といったところです。
一方、緑町中学校では、5が23%、4が26%、3が46%、2が5%、そして1をつけられた生徒はほぼ0でした。緑町中は原則として評定1はつけない方針であるようです。稲毛中学校でも似たような傾向があります。
要するに、
① 半数の生徒が4か5の評定をもらっている。
②2がつけられる生徒は10%程度。1はほとんどいない(学校によっては0)。
こうしたことから、内申書の評定は、形式的には5段階評定だが、実質的に2~5の4段階評定で、最低評価は2だ言うことが言えるかと思います。
保護者の皆様は、内申書の評定は相対評価だった世代ですので、5→すごい、4→良い、3→普通・・・といった感覚をお持ちになりやすいかもしれませんが、今の評定は、
5→良い、4→普通、3→イマイチ、2→論外、1→???
といった感じで理解しておかれたほうがよろしいかと思います。