うちの子、読むのが遅いんですけど
千葉県公立高校入試に、地域の公立中学校の定期テストと、重要なスケジュールが目白押しのこの時期ですが、国語道場では中旬より春の個人面談を実施いたします。すでにたくさんの保護者の方からご予約をちょうだいしております。
これまでの面談の中で、「塾長先生の指摘が的確で・・・」とおほめくださる方もいらっしゃいまして、今回も張り切って臨んでいきたいと思っております。私は、これまでお預かりしたたくさんの子どもたちとの交流の経験がありますので、この時期はこういうことがあっても心配はないとか、こういう点は逆に気をつけなければならないとかいった点が見えやすいわけです。
教育関係などにお勤めの経験などがない限り、やはり子どもというと自分の子どもとしか関わりがないという方がほとんどかと思います。私の経験が少しでも皆様のお役に立つように、がんばってまいります。
さて、よくご相談いただくことに、お子さんが文章を読んだり、問題を解いたりするのが遅い、ということがあります。
基本的に、これはそれほど心配ではないとお考えください。
逆に、速いが間違いが多い、こちらのほうが注意が必要です。
速いが間違いが多いということは、正確に読み取ったり考えたりできていない、聞かれていることに対し適切な答え方になるよう確認していない、そもそもでたらめ、などなどが考えられますが、これを放置していると絶対に成績は上がりません。
速いが不正確になる原因は、現在の学習環境がお子さんに合っていないということが一番だと思います。
例としては、とにかく速く解くことが奨励される環境であるとか、周囲の子どもとの学力差があり、そのペースについていけないなどといったところでしょうか。
たしかに、ごく最初から速く正確にできるお子さんはいるのですが、それはごくごく一部です。そうした子どもと不必要に比較される環境にあると、雑にさっさとやる習慣がついてしまうようです。
自分のペースで、自分の理解の速度で読み、問題を解くようにすればよいのです。
「そんなことで、テストは大丈夫か」というご心配もあるかもしれません。
ひとまず、「大丈夫だ」とお答えしておきます。というより、いずれにせよでたらめを続けて学力が向上することはありませんから、遅くとも正確のほうがはるかにましです。
私の経験や多くのお子さん方の成長の様子から言えることは、正確に読んで問題を解く習慣が最初にできれば、それがだんだんと速くなっていくということです。
私の好きな逸話ですが、フランスの哲学者、ルネ・デカルトは、本を読んでいて分からないところがあると、そこで読み進めるのをやめ、数日かけて理解できるまで考えたそうです。こうした勉強法のほうが、最終的には大成するのではないでしょうか。