塾に行って成績がすぐに上がる子と、なかなか上がらない子との違いはどこにあるのか

2023年04月11日

よく、塾(でも家庭教師でも通信教育でも何でもいいんですが)で勉強を習い始めたら、急激に成績がアップしたなんて話を耳にします。もちろんそういうことは実際にあることで、国語道場にも御多分に漏れずそういうお子さんはいます。

その一方で、半年とか1年以上とか塾などで勉強しても、なかなか成績が上がらないというお子さんもたくさんいることでしょう。そういう違いはどうして起こるのかということについて考えてみたいと思います。

平たく言えばそれは頭がいいか悪いかの違いにあります。

「頭がいいか悪いか」なんてそれを言っちゃおしめえよと思われるかもしれませんが、これはどうにもならない問題ではなく、自分がどの状況にいるのかを正しく把握したうえで、それを克服しようと努力することで解決可能の問題なのだと考えます。つまりは、頭をよくすることは可能だと国語道場は考えています。

「塾に行ってもなかなか成績が上がらない」お子さんは、自分がどういう状況にあるのかが分かっていないとか、それが分かってもそれに向き合って解決していこうとしていないとか、そもそもその解決に時間が相当かかるのだということを本人も親も分かっていないといったことがあると思います。

では、塾などで学習指導を受けていてもなかなか成績の上がらないお子さんについて考えられる問題点をざっと挙げてみます。上に挙げられているものほど深刻度も高いです。

イ 日本語力が低い

 (1)語彙力が低い

 (2)分かるまで読む習慣がない

ロ 言うことを聞かない

ハ 練習しない

ニ コツが分からない

これらの問題点ですが、それぞれの状況は、より上の問題を抱えていないことが前提です。例えば、ハの練習しないという問題においては、より上に書いてある「日本語力が低い」といった問題は抱えていないと理解してください。

一番下の「コツが分からない」だけのお子さんは、本人が分からないところを教えてあげるだけで、あとはどんどん伸びるでしょう。

ハの、単なる練習不足のお子さんでしたら、単純に勉強の時間と量を増やすだけで大丈夫。

塾に入ってすぐに成績が伸びるお子さんは、要はこのハやニに当てはまる人です。

ロの「言うことを聞かない」。少し深刻度が増してきましたね。算数・数学の計算は省略せずにノートに書くとか、ちょっと考えてもそのほうが合理的でミスも減って、成績も上がりそうだよねというアドバイスにも耳を貸さずに我流を通そうとしてしまう。メンタルな問題もあるのかもしれません。悪い習慣を改めさせるために、粘り強い指導が必要になってきます。

そしてイ。私の感覚ですと、中学生ならクラスの半分はイの(2)「分かるまで読む習慣がない」で、そのうちのさらに半分がイの(1)語彙力が低いだと思います。

以前の記事でも紹介しましたが、ある大規模な学力調査の結果、中学生の半分は教科書レベルの日本語も正確に読み取れないということが明らかになっています。

日々小・中学生と接している立場の人間から言うと、教科書レベルの日本語も正確に読み取れないというよりも、文章で言っていることが正確に分かっていなくても気にならない子どもたちが大半であるということではないかと思います。国語の授業でも、問題文の内容を満足に理解できていないのにテキトーな答えを書いて出してくる子どもは、むしろ多数派でさえあります。

冷静に考えて、自分の読んでいる文章に何が書かれているかほとんど分かっていないのに、ただ活字の上を視線が流れている、そのこと自体まったく気にしないなんてことは、かなり気味の悪いことなのですが、それでもそういう状況に慣れてしまっている子どもは非常に多いと言えます。

書いてあることをまともに読まないのが当たり前になっている子どもを指導するのは、それこそ大変な時間とエネルギーを要します。何が書かれていたかを説明させるなど根気良く指導していく必要があります。

最も深刻なイの(1)ですが、一般的な中学の生徒の4人に1人くらいは、小学校低学年レベルの日本語語彙力しか持ち合わせていません。どうしてそういうことが分かるのかというと、国語道場では「読書指数診断」という日本語力診断テストを実施していて、小学何年生の教科書に出てくる言葉まで理解できるかを測定できるからです。その結果、大半の中学生が、小学5・6年生で教わっている言葉の意味が分かっておらず、そして、語彙力レベルが小学3・4年生かそれ以下という中学生が一定程度いることが分かりました。

こういう現実をご存じないと、「子どもを塾に行かせたけど、成績が全然上がらない」などと思われることになるのだと思います。もちろん、小学校低学年レベルの日本語語彙力しか持ち合わせていなければ、塾で数か月程度勉強を教わったところで成績が上がる、つまり同級生と肩を並べるとかそれを上回る成績を上げられるはずなどあるわけがありません。

国語道場が西千葉地区で独占的にご提供する読書指導「ことばの学校」は、ひとえに本をたくさん読ませるだけでなく、日本語語彙力を伸ばし、読みの正確さを向上させることができる、楽しくかつ効果的なプログラムです。

中学生なのに語彙力が小学校低学年レベルといった事態を避けるには、早めの対応が最も有効であることは言うまでもありません。語彙力をつけ、正確に読む習慣を身につけさせるためにも、小学生になったら読書指導「ことばの学校」をお勧めします。