お子さんの日本語、大丈夫ですか?

2022年04月05日

国語道場では、「読書指数診断」という非常に面白い検定を、毎年春と秋に実施していまして、現在まさに実施中です。

「読書指数診断」とは何かと申しますと、イメージとしては『母子健康手帳』の「成長曲線」の日本語力版といった感じのものです。子どもの現在の学齢に対して日本語力が高いのか低いのか普通なのか。そういうことがバッチリ分かります。こうしたことが可能な検定は他にありません。

「教育の七五三」なんてことがずっと前から言われています。高校生の7割、中学生の5割、小学生の3割が、学校の授業について行かれずに落ちこぼれているということです。この第一の原因は日本語力不足だと国語道場の私は言い続けています。

そもそも日本語力が足りないから、教科書に書かれていることとか学校の授業で先生が話していることとかが理解できない。この状態でいくら「勉強」したってなにも身につくわけがないんですね。「塾に通ってもなかなか成績が伸びない」という方は、まずこの可能性を疑ってみるとよいと思います。

日本語力が足りなければどの教科だってできるようになるわけがないのだから、本当は日本語力の強化に親は力を入れるべきなんです。でも、そういうことに気づいて動ける方は少ない。

なぜか。この背景には次のような誤解があるんじゃないかと思います。すなわち、日本人なら日本語が自然とできるようになるもんだと。しかし実際には、母国語といえどもそれなりに人の話が分かって自分の考えを伝えられるようになるには、後天的に相当努力しないできるようにはなりません。

子どもは発達の度合いに個人差があるので、ご家庭で結構努力されているところでも、「あれ、大丈夫かしら?」なんて状況になることもよくあります。そういう場合は、小学3年生くらいまでには何かしらを打たれた方がよいです。高学年になったら手遅れだということもないのですが、やっぱり低学年のうちに何かした方が確実性は高いです。

国語道場には、小3くらいまでに指導を開始させていただいたことで、低学年の頃はそれほど優秀でもなかったのに、高校受験までには全県で上位1割位の学力(偏差値で言うと60超)に伸ばしたという実績がいくつもあります。高学年から始めたお子さんも伸びますが、幼少期に親御さんがガミガミやりすぎるにことによる二次障害の問題などがある場合は確実性はどうしても下がります。

言語能力は、周囲の事物の認識とその情報の処理能力でもあります。同じように物がぶわ~っと置いてあっても、物の名前をたくさん知っている人なら、パッと見てあそこに何と何、そっちに何と何みたいな感じでさっと認識できて頭に入れられます。一方で、言葉をあまり知らない人だったら、ただボーッと眺めているだけになってしまいます。

つまり言語能力が高い人とそうでない人では、同じ場所で同じ時間を過ごしたとしても、頭に入ってくる情報の質が全く違うということです。何年もすれば、知能は断然違ってきます。

そんなわけで、子どもの日本語能力を高める努力は早いうちから、それこそ本気で取り組まれたほうがいいと思います。